非接触式温度計の誤差

サーモグラフィーや放射温度計など非接触式の温度計は正しく使用しないと誤差が大きくなります。
温度計の放射率の設定値が測温対象の実際の放射率とズレている場合の、測定誤差の理論値を計算します。

実際の温度
T
実際の放射率
ε
放射率の設定値
ε’
温度計の測定波長
λ
温度計の指示値
T’
有効数字

非接触式温度計では次式のプランクの法則を利用して温度を測定します。
$$E_\lambda=\epsilon \cdot \frac{2hc^2}{\lambda^5}\frac{1}{e^{hc/\lambda kT}-1}= \epsilon \cdot \frac{C_1}{\lambda^5}\frac{1}{e^{C_2/\lambda T}-1} $$
\(E_\lambda \):分光放射輝度 [J/m3]
\(\lambda\):波長 [m]
\(\epsilon \):放射率 [ー]
\(T\):温度 [K]
\(c\):光速(=2.998×108) [m/s]
\(h\):プランク定数(=6.626×10-34) [J・s]
\(k\):ボルツマン定数(=1.381×10-23) [J/K]
\(C_1\):放射第1定数(=1.191×10-16) [W・m2]
\(C_2\):放射第2定数(=0.01439) [m・K]

実際の放射率と設定した放射率が異なるときの測定値は次式で計算されます。
短い波長で測定できる温度計ほど放射率による誤差は小さくなります。
$$T’=\frac{1}{\lambda /C_2 \ln({\epsilon’/\epsilon})+1/T}$$
\(T’\):温度計の指示値 [K]
\(\epsilon’\):放射率の設定値 [ー]

Wikipedia/プランクの法則
Wikipedia/放射率


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